東京大学教養学部 / 2009年夏
数理情報学II <2009年冬,月5(16:20-17:50) / 16号館119教室 / 基礎科学科3年>
シラバス
- 授業の目標と概要:
様々な物理現象の記述に現れる偏微分方程式を対象にして、数値的方法に基づく近似解法とその数学理論の概要を解説する。
- 内容:
- 熱方程式に対する差分法
- 波動方程式に対する差分法
- Poisson方程式に対する差分法
- いろいろな離散化手法(有限要素法,境界要素法,スペクトル法,代用電荷法)
- 参考書:
- 菊地文雄・山本昌宏:微分方程式と計算機演習,山海堂, 1991年.
- 田端正久:微分方程式の数値解法II,岩波書店, 1990年.
- G. D. Smith: Numerical Solution of Partial Differential Equations,
Oxford University Press, 1965.
- 成績評価:レポート
授業記録(配布物等)
- 第1回(10/5):
- 授業の説明
- 偏微分方程式の数値計算の意義と役割
- I. 熱方程式に対する差分法:1. 熱方程式(初期値境界値問題)
- 第2回(10/19):
- I.1. 熱方程式(最大値原理,Fourierの方法,Green関数,Duhamelの原理)
- 第3回(10/26):
- I. 2. 熱方程式の差分近似:(a)差分近似(b)陽解法(c)陰解法
- 配布資料
- 第4回(11/2):
- I. 2. 熱方程式の差分近似:(d)$theta$法,(e)非斉次問題
- I. 3. 誤差解析:(a)$\ell^\infty$解析
- 第5回(11/9):
- I. 3. 誤差解析:(b)$\ell^2$解析
- 配布資料
- 第6回(11/16):
- I. 4. 非線形問題(拡散増殖モデル): (a)マルサスの法則 (b)拡散増殖モデル $u_t=k u_{xx} + \varepsilon (1-u)u$ (c)解の漸近挙動 (d)差分法 (e)差分法の収束
- 配布資料
- 第7回(11/30):
- II. 波動方程式に対する差分法.1. 波動方程式(初期値境界値問題,依存域,陽解法),2.差分法の解析(離散ラプラシアンの固有値と固有ベクトル,離散Parsevalの等式)
- 配布資料
- 第8回(12/7):
- II. 波動方程式に対する差分法.2.差分法の解析(誤差評価)
- 第9回(12/14):
- 第10回(12/21):
- 第11回(1/7木):
- III. 2.差分法:長方形領域の場合(誤差評価),3. 差分法:滑らかな領域の場合(差分スキーム,正値性保存,安定性と可解性)
- 第12回(1/18):
- III. 3. 差分法:滑らかな領域の場合(誤差評価)
- IV. 有限要素法(Dirichletの原理,Galerkin-Ritzの方法,三角形分割)
- 第13回(1/25):
- IV. 有限要素法(有限要素近似,係数行列の作成)
- freefem++-csの紹介
この講義は終了しました。