東京大学教養学部 / 2008年冬
数理情報学II <2008年冬,月5(16:20-17:50) / 16-119教室 / 基礎科学科3年>
シラバス
- 授業の目標と概要:
様々な物理現象の記述に現れる偏微分方程式を対象にして、数値的方法に基づく近似解法とその数学理論の概要を解説する。具体的内容は次の通り(順不同):
- 放物型偏微分方程式に対する差分法
- 双曲型偏微分方程式に対する差分法
- 楕円型偏微分方程式に対する差分法
- 変分原理と有限要素法
- 様々な離散化手法(境界要素法、スペクトル法、代用電価法)
- 成績評価:レポート
- 参考書:
- G. D. Smith: Numerical Solution of Partial Differential Equations, Oxford University Press, 1965 (和訳: コンピュータによる偏微分方程式の解法,藤川洋一郎[訳],サイエンス社,1996年)
- S. Larsson and V. Thomee: Partial Differential Equations with Numerical Methods (Texts in Applied Mathematics 45), Springer, 2003.
- 田端正久:微分方程式の数値解法 II(岩波講座,応用数学,方法3),岩波書店, 1990年.
- 菊地文雄,山本 昌宏:微分方程式と計算機演習,山海堂,1991年.
授業記録(配布物等)
- 第1回(10/6):
- 授業の説明(ガイダンス資料)
- I. 放物型PDEに対する差分法
1. 熱方程式:熱方程式,境界条件,初期値境界値問題,初期条件の意味
- 第2回(10/20):
- 1. 熱方程式(つづき):(a)一意性と最大値原理,(b)可解性とFourierの方法,(c)非斉次問題とDuhamelの原理
- 第3回(10/27):
- 2. 熱方程式に対する差分法:(a)差分近似,(b)陽解法,(c)陰解法
- 第4回(11/10):
- 2. 熱方程式に対する差分法:(c)陰解法,(d)$\theta$法,(e)非斉次問題
- 3. 差分法の解析:(a)$\ell^\infty$安定性
- 第5回(11/17):
- 3. 差分法の解析:(b)$\ell^\infty$誤差解析
- 第6回(11/26水):
- 第7回(12/1):
- 3. 差分法の解析:(c)$\ell^2$誤差解析
- 第8回(12/8):
- II. 楕円型PDEに対する差分法
- 1. 二点境界値問題:(a)Green関数,(b)差分法(差分スキーム)
- 第9回(12/15):
- 1. 二点境界値問題:(b)差分法(安定性,誤差評価), (c)上流近似
- 2. Poisson方程式:(a)Poisson方程式
- 第10回(12/22):
- 2. Poisson方程式:(b)Poisson方程式(長方形領域)
- 第11回(1/8木):
- 2. Poisson方程式:(c)Poisson方程式(一般の領域)
- レポート問題 (締切2/4,基礎科教務係)
- 第12回(1/19):
- 第13回(1/26):
- III. 双曲型PDEに対する差分法
- 波動方程式の初期値問題,初期値境界値問題.差分法と差分法のフーリエ解析
この講義は終了しました。