2010年夏, 木2, 10:40-12:10
計算数理II <数理118122教室, 数学科4年>
数値解析学 <数理118122教室, 大学院数理科学研究科>
シラバス
- 授業の目標と概要:
様々な物理現象の記述に現れる偏微分方程式を対象にして、数値的方法に基づく近似解法とその数学理論の概要を解説する。
- 内容:
- 熱方程式と差分法
- Poisson方程式と有限要素法
- Lax-Milgramの定理とGalerkin法
- 初期値問題の有理関数近似
- 参考書:
- 菊地文雄・山本昌宏:微分方程式と計算機演習,山海堂, 1991年.
- 田端正久:微分方程式の数値解法II,岩波書店, 1990年.
- G. D. Smith: Numerical Solution of Partial Differential Equations,
Oxford University Press, 1965.
- S. Larsson and V. Thomee: Partial Differential Equations with Numerical Methods, Springer, 2009.
- 成績評価:レポート
- 数理分類番号:551
授業記録(配布物等)
- 第1回(4/8):
- 授業の説明(配布資料)
- I. 熱方程式と差分法
- 1. 熱方程式(熱方程式,初期値境界値問題,最大値原理,$L^\infty$安定性,正値性保存,Fourierの方法,Duhamelの原理)
- 第2回(4/15):
- 2. 熱方程式の差分近似:(a)差分近似(前進差分商,後退差分商,中心差分商,2階中心差分商),(b)陽解法(差分スキーム,安定性,非負値性の保存,行列のノルム),(c)陰解法(差分スキーム,安定性,正値性の保存)
- 配布資料
- 第3回(4/22):
- 2. 熱方程式の差分近似:(d)$\theta$法,(e)非斉次問題
- 3. 誤差解析:(a)$\ell^\infty$解析
- 配布資料
- 第4回(5/6):
- 3. 誤差解析:(a)$\ell^\infty$解析 (b) $\ell^2$解析
- 第5回(5/13):
- 4. Neumann境界条件
- 5. 非線形問題:ロジスティック型半線形問題,解の漸近挙動,差分スキーム,安定性
- 配布資料
- 第6回(5/20):
- 5. 非線形問題:誤差評価
- II. 変分原理と有限要素法
- 1. Dirichletの原理: Poisson方程式,汎関数最小化問題,停留条件とEulerの方程式,Dirichlet
原理,Ritzの方法とGalerkinの方法
- 第7回(5/27):
- 2.有限要素法:三角形分割,区分一次要素,有限要素近似
- 3.Sobolev空間:L^2空間,H^1空間,H^1_0空間,Lipschitz領域,トレース定理,Sobolevの埋込定理
- 配布資料(グレイ・スコットモデルの数値計算例)
- 配布資料(三角形分割の例)
- 第8回(6/3):
- 3.Sobolev空間:Poincareの不等式,Wirtingerの不等式
- 4.弱解と正則性:Poisson方程式の弱解,Rieszの表現定理,楕円型正則性,Galerkin近似,Galerkin直交性,Galerkin近似の最良性,Ceaの補題
- 第9回(6/10):
- 5. 正則な三角形分割:局所的補間誤差,三角形分割の正則性,Zlamalの最小角条件,大域的補間誤差,区分的一次要素の近似能力
- 第10回(6/17):
- 5.正則な三角形分割:局所的補間誤差の証明
- 6. 誤差解析:H^1誤差評価
- 第11回(6/24):
- 6. 誤差解析:L^2誤差評価
- III. 抽象的楕円型問題
- 1. Lax-Milgramの定理:有界双線形形式、強圧性、縮小写像の原理
- 第12回(7/1):
- 2. Galerkin近似:Galerkin直交性,Ceaの定理
- 3. 移流拡散方程式
- レポート問題
- 第13回(7/8):
- 第14回(7/15):休講
- 第15回(7/22):休講
この講義は終了しました。