東京大学教養学部 / 2008年夏
数理科学I <火曜2限(10:40-12:10) / 525教室 / 理科1(26-32)>
シラバス
- 授業の目標と概要:
数学Iで学んだ多変数の微積分の補足として2変数のベクトル値関数を取り上げ,
その取り扱い方法と幾何学的・物理的意味を学ぶ.
3変数あるいはより多くの変数を扱う方法については,数理科学IIIで学習する.
数学や物理など数学を本格的に使う分野,あるいは電磁気学・流体を扱う分野に
将来進む場合は,数理科学IIIを併せて履修しておくことが望ましい.
- 授業計画:
- 多変数関数とベクトル場
- 微分可能性
- 陰関数定理
- 逆関数定理
- 極値問題
- 重積分と変数変換
- 曲線と曲率
- スカラー場の線積分
- ベクトル場の線積分
- 曲面の面積
- (微分形式)
- 参考書:(教科書は指定しない)
- 小林昭七: 続微分積分読本—多変数,裳華房,2001年
- 深谷賢治:電磁場とベクトル解析 (現代数学への入門),岩波書店,2004年
- 坪井俊:ベクトル解析と幾何学(講座:数学の考え方5),朝倉書店,2002年
- 杉浦光夫:解析入門2(基礎数学3),東京大学出版会,1985年
- 成績評価:
- 期末試験で成績を判定。(なお,試験の際は,参考書やノート類の持ち込みは一切認めない)
- 計算問題中心の中間試験(授業の進度によってはレポート)を行う。この結果は,原則として成績には加えないが,期末試験の出来がおもわしくない場合のみ一部を考慮することがある。
- 毎回,出席をとるが,単なる記録としてとるだけで,成績には加えない。
授業記録(配布物等)
- 第1回(4/15):
- 授業の説明(ガイダンス資料)
- 第1,2節の問題
- 第1節の講義概要メモ(これは講義で説明する項目を並べただけのものです.ノートではありません.)
- 1. 多変数関数とベクトル場:R2の開集合,閉集合,領域など.収束と連続.ベクトル場.
- 第2回(4/22):
- 第2節の講義概要メモ
- 2.微分可能性:Ck級の関数,微分可能性,接平面,全微分,方向微分,勾配ベクトル場(gradient),平均値の定理
- 第3回(5/1木):
- 第3, 4節の問題
- 第3節の講義概要メモ
- 3.陰関数定理:陰関数定理,その証明と例.
- 第4回(5/13):
- 第4節の講義概要メモ
- 4.逆関数定理:例(極座標など),逆関数定理,縮小写像の原理,逆関数の定理の証明(第1段:reduction,第2段:全射性)
- 第5回(5/20):
第5, 6節の問題
- 第5節の講義概要メモ
- 4.逆関数定理:証明(第3段:単射性,第4段:連続性,第5段:C1)
- 5.極値問題:極大・極小の定義,判定定理,鞍点
- 第6回(5/27):
- 第5, 6節の問題
- 第6節の講義概要メモ
- 5.極値問題:条件付き極値問題に対するLagrangeの未定乗数法
- 6.変数変換公式:極座標変換,変数変換公式
- 第7回(6/3):
- 第7, 8節の問題
- 第7節の講義概要メモ
- 6.変数変換公式:変数変換公式の証明
- 7. 曲線と曲率:曲線の定義など
- 第8回(6/10):
- 第8節の講義概要メモ
- 7. 曲線と曲率:法ベクトル,接ベクトル,単位ベクトル,弧長パラメータ,曲率,曲率半径
- 8.スカラー場の線積分:線積分の定義
- 第9回(6/17):
- 8.スカラー場の線積分:ベクトル場の発散,Gaussの発散定理,部分積分公式
- 第10回(6/24):
- 第9, 10節の問題
- 第9節の講義概要メモ
- 連絡事項(レポート,試験など)
- 9. ベクトル場の線積分(定義,一次微分形式,回転rot,Greenの定理)
- 第11回(7/1):
- 第12回(7/8):
- 第10節の講義概要メモ
- 9. ベクトル場の線積分(ポテンシャルの存在)
- 10. 曲面積(ベクトルの外積)
- 第13回(7/15):
- 10. 曲面積(接ベクトル,法ベクトル,曲面積,球の表面積)
- 試験: 7月22日10:55-12:25
この講義は終了しました.