2021年度 Sセメスター
計算数理I(数学科3年)・計算数理(統合自然科学科3年)
重要な注意
- 本講義は、ITC-LMSを利用したオンライン講義(オンデマンド方式)で行う予定です(2月28日現在)。しかし、COVID-19の感染状況次第では、教室での対面講義も併用します。ただし、オンデマンドの教材については、感染状況に関わらず、最後の講義の分まで用意し公開しますので、最後まで、オンライン講義(オンデマンド方式)の受講が可能です。【2/28記】
- 2020年度の計算数理I・計算数理についてのインタビュー記事が、東京大学オンライン授業・Web会議 ポータルサイト
のグッドプラクティスの共有に掲載されましたので、参考にして下さい。
【1/16記】
- 2020年度の計算数理I・計算数理の講義ウェッブも参考にしてください。【2/28記】
本講義は,
ITC-LMSを利用したオンライン講義(オンデマンド方式)の形で行います.
- 下の講義日程にあわせて,講義ノート,講義を録画した動画ファイル
と講義を録音した音声ファイルをITC-LMSの教材にアップロードする(これらは,第n回につき一つずつである.動画ファイルなどは,そのものをアップロードするのではなく,視聴できるURLを示す.動画はYoutubeにおける限定公開の形で公開する).
- 受講生は,それらを用いて学習し,終わったらITC-LMSのアンケートにすすみ,アンケートに答える.アンケートへの回答は,単位認定のための条件ではないが,各受講者の学習の進捗を把握したいので,是非協力して下さい.(単位認定は,レポートのみによる.)
- ITC-LMSの掲示板やslackのワークスペースで,質問や議論(や雑談)をすることを強く勧める.
いろいろな連絡は
ITC-LMSを用いて行うので,まだ履修登録をしていないが,この講義を履修する可能性のある人は,とりあえず,自分で
ITC-LMS(のこの講義)に登録してください.【2/28記】
講義資料
この講義で配布する資料はすべてITC-LMSからダウンロードできます。履修届け提出後に,履修する科目は自動的に受講登録されます。
シラバス
- 授業の目標・概要
線形代数学では、正則な行列を係数行列とする連立一次方程式は、一意な解を持ち、それはクラメールの公式を用いて表現できることを学んだ。しかし、もし、クラメールの公式をそのまま用いて、未知数が30個の連立一次方程式を解こうとすれば、現在利用できる最も速いスーパーコンピュータを用いても、100億年以上かかる見積もりになってしまい、現実的でない。一方、それをガウスの消去法で求めれば、手頃なラップトップ型パーソナルコンピュータを用いても、 1/100秒もかからない。このように、数学的に解が表現できる、あるいは解が存在するということと、実際に数値を得ることの間には、大きな溝があるのである。数学的な概念や方法を通じて、現実問題を研究する際には、当然、数値的な答えが要求される。そのような問題に対処するために、様々な数学的な概念を、具体的に数値を計算するという立場から研究する分野を数値解析と言う。本講義は、数値解析への入門を目的とし、1年および2年次に学んだ微分積分学や線形代数学に現れる諸問題、例えば、連立一次方程式、非線形方程式、定積分、常微分方程式、最適化(関数の最小化)などを、コンピュータを用いて数値的に解くための方法とその背景にある数学理論の解説を行う。
- キーワード
数値解析、連立方程式、非線型方程式、数値積分、常微分方程式
- 授業内容
- 数値計算と数学,計算機における数の表現
- 非線形方程式:Newton法
- 非線形方程式:多変数Newton法と代数方程式
- 行列のノルム
- 固有値問題:固有値の包み込みとRayleigh商
- 固有値問題:冪乗法,逆反復法,シフト法
- 補間多項式と数値積分:Lagrange補間多項式とNewton-Cotes積分公式
- 補間多項式と数値積分:直交多項式とGauss型積分公式
- 常微分方程式:Euler法と一段法
- 常微分方程式:Runge-Kutta法
- 常微分方程式:連立系への適用
- 関数の最良近似
- 無制約最適化とその応用
- 開講スケジュール:
4/9, 4/16, 4/23, 4/30, 5/7, 5/14, 5/21, 6/4, 6/11, 6/18, 6/25, 7/2, 7/9
(注意:5/14の午後に
計算数理演習は行われません)
- 参考書
- 齊藤宣一:数値解析入門 (大学数学の入門9),東京大学出版会,2012年,3,150円
- 齊藤宣一:数値解析 (共立講座数学探求),共立出版,2017年
- A. Quarteroni, F. Saleri, P. Gervasio:Scientific Computing with MATLAB and Octave, 4th edit., Springer, 2014(加古孝,千葉文浩訳,MATLABとOctaveによる科学技術計算,丸善出版,2014年)
- 履修上の注意
- 計算数理演習を併せて履修することが望ましい.
- 本講義は,計算数理I(理学部数学科)と計算数理(教養学部統合自然科学科)の合同授業です.
- 成績評価
レポートの予定
- 数理分類番号
353