2020年度 Sセメスター
計算数理I(数学科3年)・計算数理(統合自然科学科3年)
- 担当:齊藤宣一(数理科学研究科)
- 曜日時間:金曜日・2限
- 場所:数理棟117室
重要な注意
本講義は、Zoomを利用したオンライン講義(リアルタイムのstreaming)の形で行います。アクセス先は、UTASのオンライン授業URLをご覧ください(ITC-LMSもご覧ください)。なお、状況次第では教室における対面講義に切り替える可能性があります。しかし、それがいつになるのかを明言することはできません。したがって、7月10日の最後の講義まで、オンランで受講することをご予定ください。初回(4/10)は休講とします。第2回目(4/17)は、接続の準備の趣旨で、テスト配信をします。時間になったら、オンライン講義URLにアクセスしてください。第3回目(4/24)に、講義ガイダンスと講義内容に関する前置きの話をします。本格的な講義は第4回目(5/1)から始めます。
このように当初想定していなかった形で開講することになり、私自身手探りで進まなければならない状態です。
受講生の皆さんと協力して、この難局を乗り越えたいので、力を貸してください。疑問(や良いアイデア)があれば、メールで問い合わせてください。
【3/28記】
具体的なスケジュールは追って告知します。【3/29記】
ネットワーク環境による不公平は生じないように十分に配慮します。講義内容を詳細に記したノートを事前に必ず配布します。講義のノートを取る必要はありません。それを自習して、掲示板やチャットで質問すれば、講義内容をフォローできます。また、講義の配信は録画して、後から受講生が参照できるようにします。その際、映像+音声のファイルと、音声のみのファイルを2種類用意します。
【3/31記】
いろいろ試行して,方針を固めつつあります.改めて方針を示します.本講義は,ITC-LMSを利用したオンライン講義の形で行います.具体的には,オンデマンド方式(非同期オンライン型)で行います.
- 下の講義日程にあわせて,講義ノート,講義を録画した動画ファイルと講義を録音した音声ファイルをITC-LMSの教材にアップロードする(これらは,第n回につき一つずつである.動画ファイルなどは,そのものをアップロードするのではなく,視聴できるURLを示す.動画はYoutubeにおける限定公開の形で公開する).
- 受講生は,それらを用いて学習し,終わったらITC-LMSのアンケートにすすみ,アンケートに答える.アンケートへの回答は,単位認定のための条件ではないが,各受講者の学習の進捗を把握したいので,是非協力して下さい.(単位認定は,レポートのみによる.)
- ITC-LMSの掲示板やslackのワークスペースで,質問や議論(や雑談)をすることを強く勧める.
いろいろな連絡はITC-LMSを用いて行うので,まだ履修登録をしていないが,この講義を履修する可能性のある人は,とりあえず,自分でITC-LMS(のこの講義)に登録してください.(この講義の履修登録を既に終えた人はその必要はありません)なお,当初予定していた,
リアルタイムのstreaming配信は止めることにしました.理由は,学期を通じて安定に配信できるかどうかに不安があるからです.混乱をさせてしまい,申し訳ありません.
【4/3記】
注目!! 第0回の講義資料を参照して下さい(同じものがITC-LMSにもあります.ITC-LMSの調子がいつも良いわけではないのでここにも置きます).講義のやり方などが具体的に書いてあります.
【4/6記】
レポートについて:
6月29日(月)の朝に期末レポート問題を『課題』で公開します。締め切りは8月5日(水) 23:55です。配点は各問に記してあります。成績の評価はこのレポートの得点のみに基づいて行います。必ず提出してください。
レポートは,手書きでも,LaTeX やワープロで清書しても良い.ただし,単独のPDFファイル(書類のサイズはA4)にまとめて提出すること.
他人に教えてもらったり,他人と相談するのは禁止します.本,講義ノート,インターネット上の情報を参照することは,禁止しません.ただし,参照した後に,自分自身で考察し,完全に納得してから答案を書くこと.また,参照した場合は,必ず,出典を詳しく記すこと.
質問は,norikazu[AT]g.ecc.u-tokyo.ac.jp,あるいは,講義slackで受け付けます.【6/25記】
講義資料
この講義で配布する資料はすべてITC-LMSからダウンロードできます。履修届け提出後に,履修する科目は自動的に受講登録されます。
シラバス
- 授業の目標・概要
線形代数学では、正則な行列を係数行列とする連立一次方程式は、一意な解を持ち、それはクラメールの公式を用いて表現できることを学んだ。しかし、もし、クラメールの公式をそのまま用いて、未知数が30個の連立一次方程式を解こうとすれば、現在利用できる最も速いスーパーコンピュータを用いても、100億年以上かかる見積もりになってしまい、現実的でない。一方、それをガウスの消去法で求めれば、手頃なラップトップ型パーソナルコンピュータを用いても、 1/100秒もかからない。このように、数学的に解が表現できる、あるいは解が存在するということと、実際に数値を得ることの間には、大きな溝があるのである。数学的な概念や方法を通じて、現実問題を研究する際には、当然、数値的な答えが要求される。そのような問題に対処するために、様々な数学的な概念を、具体的に数値を計算するという立場から研究する分野を数値解析と言う。本講義は、数値解析への入門を目的とし、1年および2年次に学んだ微分積分学や線形代数学に現れる諸問題、例えば、連立一次方程式、非線形方程式、定積分、常微分方程式、最適化(関数の最小化)などを、コンピュータを用いて数値的に解くための方法とその背景にある数学理論の解説を行う。
- キーワード
数値解析、連立方程式、非線型方程式、数値積分、常微分方程式
- 授業内容
- 数値計算と数学,計算機における数の表現
- 非線形方程式:Newton法
- 非線形方程式:多変数Newton法と代数方程式
- 行列のノルム
- 固有値問題:固有値の包み込みとRayleigh商
- 固有値問題:冪乗法,逆反復法,シフト法
- 補間多項式と数値積分:Lagrange補間多項式とNewton-Cotes積分公式
- 補間多項式と数値積分:直交多項式とGauss型積分公式
- 常微分方程式:Euler法と一段法
- 常微分方程式:Runge-Kutta法
- 常微分方程式:連立系への適用
- 関数の最良近似
- 無制約最適化とその応用
- 参考書
- 齊藤宣一:数値解析入門 (大学数学の入門9),東京大学出版会,2012年,3,150円
- 齊藤宣一:数値解析 (共立講座数学探求),共立出版,2017年
- A. Quarteroni, F. Saleri, P. Gervasio:Scientific Computing with MATLAB and Octave, 4th edit., Springer, 2014(加古孝,千葉文浩訳,MATLABとOctaveによる科学技術計算,丸善出版,2014年)
- 履修上の注意
- 計算数理演習を併せて履修することが望ましい.
- 本講義は,計算数理I(理学部数学科)と計算数理(教養学部統合自然科学科)の合同授業です.
- 成績評価
レポート(当初は「期末試験」とアナウンスしましたが、レポートに変更します)【3/28記】
- 数理分類番号
353
授業予定と記録
- (4/10)
- 休講
- 各自で,オンライン講義が受講できる準備をしてください.
- 第0回(4/17, 4/24) ガイダンスと前置き
- 講義の説明
- 計算機における数の表現
- 講義資料(同じものがITC-LMSにもあります.ITC-LMSの調子がいつも良いわけではないのでここにも置きます)
- 4/17と4/24の内容は同じです.オンライン講義に慣れてもらう趣旨で,2回分の講義の時間を取りました.
- 第1回(5/1) 単独非線形方程式
- 第2回(5/8) 非線形方程式系
- 第3回(5/15) 固有値問題
- 注意:5/15の午後の計算数理演習はありません.5/22に行われます.
- 第4回(5/29) Lagrange補間多項式とNewton-Cotes公式
- 第5回(6/5) 直交多項式とGauss型積分公式
- 第6回(6/12)常微分方程式(1)
- 第7回(6/19) 常微分方程式(2)
- 第8回(6/26) 関数の最良近似
- 第9回(7/3) 無制約最適化(1)
- 第10回(7/10) 無制約最適化(2)